Sweet? or Sour? Orenge juice II (ページ22)

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黒side

俺が彼を好きになったのは
入学して半月を過ぎた頃

人と付き合わない代わりに
人間観察が趣味になっていた俺が
いつの間にか彼だけを追うようになった

いつもクラスの真ん中でいつも誰かを笑顔にして
彼自身も毎日笑顔で過ごしている

雨の日はトイプードルになるところとか
授業中にすやすや寝ている姿だったり
モテていることに気づいていない鈍感さだったり
惹きつける瞳が光に照らされてる時だったり

見ているだけで癒されるし
表情も感情も豊かで本当にかわいらしくて
気づいた時には彼に恋をしていた

だからといって別に告白するわけでもない
卒業するまで恋心をしまったまま
彼のことを見守っていたいだけ

なんて思っていたけど
やっぱり彼に近づきたい気持ちは大きくなっていた

＿＿＿＿＿

予想通り下校時間になっても
雨は止まずに余計酷く降り続いている

橙「え〜、止んでへんやん」

帰ろうと傘をさした時に聞こえたあの声

黒「あ、」

橙「え？目黒くんやん！」

黒「名前知ってるんだ」

橙「そりゃイケメンでクールで
ファンクラブまで出来とる人は知っとるわ」

黒「え、そうなの？」

橙「逆に知らんかったん？
ていうか、同じクラスメイトやん
知らんはずはないわ」

黒「そう… ありがとう」

橙「なんやありがとうって笑
なんか硬いな。目黒蓮… 目黒くん…
う〜ん、めめって呼ぶのはどう？」

黒「めめ？」

橙「あかん？」

あー、これが噂の頼まれたら断れない顔か。

黒「いや大丈夫」

橙「よかった」

黒「向井くんって、」

橙「向井くんちゃう！康二って呼んでや！」

黒「あぁ、じゃあ康二？」

橙「なんで疑問系やねん」

黒「えっと康二は傘持ってきてなかったよね？」

橙「そうなんよ」

黒「送っていこうか？」

橙「ええの⁉︎ お願いしたいです！」

普段なら端にいる俺も
今日だけは真ん中の彼に近づけるかな…

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